2025/06/18 13:39

 通常の透明標本の作製では作製過程において劇物指定や危険物の薬品を使用します。例えば試料(生き物)を固定するホルマリンや、脱色液や染色液に使用する水酸化カリウムなどがそれに当てはまります。また劇物や危険物ではないが、皮膚に影響を及ぼす薬品も使用します。そのため十分に取り扱いに注意し、適切な環境下で作業を行う必要性があり、一般の方が透明標本を作製するのはややハードルが高いです。

 一方で、学校や教育施設での理科教材としての有用性も高く、またインテリアとしての人気もあります。当店では一般の方でも簡単に透明標本が作製できるように、作製工程を簡略化し、オリジナルの作製方法と薬液を使った透明標本作製キットを販売いたしました。
 ただし、このキットは当店の軟骨と硬骨を染める作製方法(赤色と青色の染色方法)とは異なり、硬骨のみを染める方法(赤色のみの染色方法)となります。また本来タンパク質を固定する薬液を、劇物であるホルマリンを主としたアルデヒド固定からエタノールを主としたアルコール固定に変更しております。そのため、作製過程や、長期保存する場合、標本が崩れてくる場合がありますので、この点もご了承の上ご購入をお願いいたします。
 

◆透明標本作製キット(上級編)
対象:高校生以上
難易度:★★★★☆
安全性:★★☆☆☆
完成度:★★★★☆
期間:2〜4週間
試 料:重さ3.0〜3.5g程度の脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類など)

説明:劇物であるホルマリンは極めて低濃度(劇物除外濃度のホルムアルデヒド含有量1%以下)、水酸化カリウム(石鹸や洗剤の原料)は、市販されている洗剤レベルまで濃度を下げています。また軟骨染色の工程を省略し、作製工程を簡略化しております。劇物であり固定力の強いホルマリンを主とした固定液から、アルコールを主とした固定液に変更しているため、作製過程で試料がやや崩れやすくなっているため作製難易度があがります。




◆透明標本作製キット(中級編)
 対  象 :中学生以上
難易度:★★★☆☆
安全性:★★★★☆
完成度:★★★★☆
 期  間 :10〜20日間
試 料:カエル・ネズミ・金魚のうちのいずれか(重さ約1.5g、サイズ約3-5cm) 
説明:劇物であるホルマリンは一切使用せず、水酸化カリウム(石鹸や洗剤の原料)は、市販されている石鹸・洗剤レベルまで濃度を下げています。また軟骨染色の工程を省略し、作製工程を簡略化しております。またあらかじめホルマリン固定された試料(生き物)が入っているため、作製中も試料が崩れにくく、より簡単に作製できるようになっています。


キットに含まれているエタノールやグリセリンは引火性があるため、換気を充分に行い、火気のある場所では作製しないようにお願いいたします。




◆透明標本作製キット(初級編)
対象:中学生以上
難易度:★★☆☆☆
安全性:★★★☆☆
完成度:★★★★☆
期 間:3〜7日間
試 料:メダカ

説明:劇物であるホルマリンは一切使用せず、水酸化カリウム・水酸化ナトリウムは、劇物から除外される濃度(5%未満,業務用洗剤レベル)まで下げていますが、触れると危険なため必ずゴム手袋着用してください。こちらも軟骨染色(青色染色)の工程を省略することにより、作製工程を簡略化しております。キットに含まれているエタノールやグリセリンは引火性があるため、換気を充分に行い、火気のある場所では作製しないようにお願いいたします。




◆透明標本作製キット(子ども向け) ※開発中
対象:小学生以上
難易度:★★☆☆☆
安全性:★★★★★
完成度:★★★☆☆

説明:劇物や危険物であるであるホルマリンや水酸化カリウムは一切使用せず、化粧品や家庭用洗剤、食品添加物に使用されているものだけで作製できるように開発した当店オリジナルの商品です。こちらも軟骨染色(青色染色)の工程を省略することにより、作製工程を簡略化しております。比較的安全なものを使用しておりますが、キットに含まれているエタノールやグリセリンは引火性があるため、換気を充分に行い、火気のある場所では作製しないようにお願いいたします。


◆透明標本作製キット


【セット内容】
※大人用・子供用どちらもセット内容は同じですが、各種成分が異なるものもあります。

・固定液
・透明化液
・硬骨染色液
・硬骨染色原液
・脱色液
・浸透液1
・浸透液2
・浸透液3
・封入液
・角型容器× 2
・スプーン
・標本瓶×3
・ピンセット
・ゴム手袋
・漏斗
・収納ケース
・当店オリジナル作製マニュアル
計20点





◆キットでの作製方法

①タンパク質固定 ※エタノールによる



②下処理



③透明化



④硬骨染色



⑤脱色



↓ 
⑥浸透


⑦封入



※詳しい作製方法はキット内に含まれるマニュアルを参照してください。